大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1690 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人林昌司の上告趣意第一点(1)は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴

四〇五条の上告理由に当らない。そして、犯行の日時が原則として罪となるべき事

実に属しないことは、当裁判所累次の判例である。されば、原判決が所論摘示のご

とく判示し、この程度の瑕疵は、未だもつて判決破棄の理由とならない旨説示した

からといつて、法令の違反があるとはいえない。同(2)は、原判決が被告人の自

白を強制又は脅迫によるものではなく、任意の自白である旨の認定を非難するに帰

し(なお、伊藤、宇野弁護人の上告趣意第一点に対する判断参照)、同第二点は、

事実誤認の主張であつて、これまた、同条の上告理由に当らない。

弁護人伊藤俊郎、同宇野要三郎の上告趣意第一点は、憲法三八条二項違反を主張

する。しかし、原判決は、自白の一部に不合理な部分が含まれていること、又は、

第七回までの取調では、犯行を否認しているのにその後の取調に至つて漸く自白し

たことを以て、直ちにその自白が任意になされたものではないとはいえないし、ま

た、証拠を挙示しこれによれば警察における被告人の第八、九回の供述調書記載の

自白が任意にされたものであることは疑がなく、警察官の強要等により不任意にさ

れた旨の弁疏は信用するを得ない旨説示している。そして、当裁判所は、原判決の

右説示前段を正当であると是認し得るし、また、挙示の証拠によれば、右後段の認

定を肯認することができるから、所論は採用できない。同第二点は、憲法三八条三

項違反を主張する。しかし、第一審判決は、被告人の公判外の自白のほか挙示の多

数の補強証拠を綜合して判示犯罪事実の全体を認定したものであつて、右補強証拠

は、本件犯罪の原因動機、手段等の各一部ことに判示犯罪の客観的事実を補強する

に足りるものと認められるから、本論旨も採用できない。同第三点は、事実誤認の

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主張であり、同第四点は、単なる訴訟法違反の主張であつて、いずれも、刑訴四〇

五条の上告理由に当らない。そして、記録を調べても、本件につき同四一一条を適

用すべきものとは認められない。

よつて、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和二八年一二月二四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

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